結構英語を勉強しているのに、リスニングがうまく聞き取れない…
速く話されると、途端に何を言っているかわからなくなる…
英語のリスニング力が伸びないとき、このような悩みを抱えることが多いと思います。
そう考える理由は、僕自身がそうだったからです…
僕はその後、悩みの一因にあるのは「英語の音声変化の理屈を知らないこと」ではないかと考えるようになりました。
この記事では
英語の「音声変化」について、特徴やルールをまとめてご紹介したうえで、音声変化を学ぶのに効果的な学習方法をお伝えします。
ぜひ最後までご覧いただき、英語の音声変化をマスターして、リスニング力を向上させましょう!
※この記事ではアメリカ英語の音声変化を中心にご紹介しています。
英語の「音声変化」とは?
そもそも、
英語の「音声変化」とは何か?
について簡単にお伝えします。
英語を普段話しているネイティブスピーカーたちは、日本人が教科書で学んでいるような英語を一字一句、丁寧に発音しているわけではありません。
一つ一つの単語を丁寧に発音せず、発音しなくても意味が通じる部分は省略したり、くっつけたり、強弱をつけたりして、発音しています。
なぜそのようなことが起きるのでしょうか?
それは「省エネ」で「早く伝えられる」からです。
会話のスピードが上がったり、カジュアルな会話になったりするほど、音声変化する傾向が強くなります。
例えば
I was out of the office.
という文章があるとして、単語をそのまま読んだときの音声をカタカナで表現するとしたら
「アイ ワズ アウト オブ ジ オフィス」
ではないでしょうか?
一方で、実際にネイティブが発音した場合の音声をカタカナで表現するとしたら
「ァイワズォ ァウトォブズォフィス」
のように聞こえるはずです。(カタカナだとうまく表現できていなくてすみません…)
具体的に言えば、一つ一つの単語が離れているのではなく、
「out of the office」は
「アウト オブ ジ オフィス」ではなく、
「ァウトォブズォフィス」
のようにつながって聞こえるうえに、意味の内容によって、単語それぞれに強弱がつけられます。
これは英語だけの話ではありません。
日本語でも、早口で話したり、カジュアルに話したりする場面で色々な音変化が生じていると思います。
例えば
「旅客機」→「りょかくき」→「りょかっき」
「暖かい」→「あたたかい」→「あったかい」
「水族館」→「すいぞくかん」→「すいぞっかん」
など、表記する音の文字と、実際に読むときの発音は微妙に省略されることが多いです。
典型的なのが「おはようございます」や「ありがとうございます」ではないでしょうか?
日本語ネイティブで親しい間柄であれば、「おざす」や「おざーす」、「あざす」「あざーす」という形で表現しているように感じます。
英語もそれとまったく同じ理屈で速く、簡潔に話そうとすると、「自然と発音が変わってくる」というのが「音声変化」の本質だと考えています。
英語の音声変化を学ぶメリット
では音声変化の理屈や特徴、ルールを学ぶことで、どういったメリットがあるのでしょうか?
僕自身が感じるメリットは大きく2つで、「リスニング力」と「スピーキング力」の向上です。
リスニング力の向上
音声変化のルールを身につけたときのメリット、一つ目は「リスニング力の向上」です。
音声変化が身につくと、自分でも無意識に音声変化を再現できるようになります。
自分でそうした英語音声の変化を再現できるようになるということは、英語の音声を聞くときも自然と音声変化を理解したうえで聞き取れるようになります。
これは英語に限った話ではありませんが、言語は自分で理解して発音できなければ、聞き取ることはできません。
逆に言えば、自分で理解して発音できるようになると、自然と聞き取れる内容が増えていきます。
音声変化を理解できるようになると、これまで聞いていたネイティブの発音と、自分が想像している英語発音のギャップが自然と縮まるので、リスニング力が格段に上がるという理屈です。
スピーキング力の向上
次に音声変化の理解が良い効果をもたらすのが「スピーキング力」です。
音声変化のルールや特徴を理解することで、自分の英語の発音が矯正されて、自然な英語の発音ができるようになります。
そうなると、英語でコミュニケーションをとる相手にも自然な発音の英語が伝えるため、
いまいち自分の英語が伝わらなかった…
と悩んでいた人でも、スムーズに英語ネイティブとコミュニケーションがとれるようになるはずです。
英語の音声変化、5つのルール
ここからは実際に、英語の音声変化について、具体的なルール・パターンをご紹介していきます。
日本語の音声変化でもたくさんあるんだから、英語の音声変化ってめちゃくちゃ理解するの大変なんじゃない?
と感じるかもしれませんが、英語の音声変化のパターンは5つにまとめられます!
それが、
- 連結
- 同化
- ラ行化
- 脱落
- 弱形
です。
それぞれ、どういう条件で、どういうルールがあるのか、順番に見ていきましょう。
音声変化①連結
まず最初に「連結」のパターンです。
これは「リンキング」とも呼ばれます。
この連結は言葉どおり、単語がそれぞれつながったときに生じる音声変化のパターンです。
具体的にどういうケースで起きるのか見ていきましょう。
「単語の最後の子音」+「単語の最初の母音」で音がつながるケース
代表的な音声変化、連結のパターンのひとつです。
英語の母音は日本語の「アイウエオ」に近い音、子音はそれ以外の音のことをいいます。
注意が必要なのが、「単語の最後の子音」というのはスペル上の子音ではなく、発音したときに子音かどうか、という点です。
例えば、I love it ~ という場合、スペル上は「love」の最後は「e」なので母音のように思いますが、「love」の発音上の最後は子音「v」で終わっています。
つまり、「単語の最後の子音」+「単語の最初の母音」で音がつながるケースとなり、
と連結します。
例文でいえば、think の k と、about の a が連結して、「スィンカバウト」のように聞こえますし、
Can の n と I が連結して、「キャナイ」と聞こえるようになります。
母音+母音で音がつながるケース
連結の他のパターンとしてあるのが、「母音+母音で音がつながる」というもの。
母音と母音がつながるときは、間に[w]、[y]、[r]の音が入ってくることがあります。
実際に具体例で見ていくと例えば、
といったイメージです。
先ほどと同じく、母音はスペルではなく発音上の母音なので注意です。
音声変化②同化
次の音声変化のルールは「同化」です。
同化とは、「2つの音がくっついて別の音に変わる」というもの。
わかりやすい具体例として挙げられるのが、
“Nice to meet you.”
です。
これはよく聞くように、「ナイス トゥー ミート ユー」ではなく、「ナイス トゥー ミーチュー」になります。
このような同化は、単語の語尾が[t]、[d]、[s]、[z]で終わり、次に続く単語が[y]で始まる場合に起こります。
そのため、単語として “you” や “your” が登場するときは直感的に「同化が起こりやすい」ということになります。
といったイメージです。
ラ行化
3つ目としてあるのが「ラ行化」です。
ラ行化とは、TやDが日本語の「ラ行」の発音のように聞こえる英語の音声変化です。
これはフラッピングやタッピングとも呼ばれることもあります。
ラ行化には連結と同じく、2パターンあります。
それが「母音に挟まれたTやDがラ行に変化するもの」と「母音+Lに挟まれたTやDがラ行に変化するもの」です。
それぞれ具体事例を交えて見ていきましょう。
母音に挟まれたTやDが「ラ行」に変化する
母音に挟まれたTやDが変化するパターンとして、
といったものがあります。
母音に挟まれているTやDの音は、アメリカ英語だと非常に短く発音されるため、聞こえ方としてラ行に近いものになります。
母音+Lに挟まれたTやDが「ラ行」に変化する
「母音+L」に挟まれたTやDが「ラ行」に変化するパターンとして、
などがあります。
アメリカ英語だとこの音声変化が起こりますが、イギリス英語だとTをはっきりと発音する場合が多いです。
脱落
「脱落」は、英単語の末尾が「子音」で終わり、次の英単語の始まりも「子音」のときに起きる音声変化です。
また、英単語の末尾が破裂音([t]、[d]、[p]、[k]、[b]、[d]、[g]など口に溜めた空気を吐き出して開放するときに出る音)で終わるときに、その破裂音が発音されていないように聞こえるパターンもあります。
さらに、英単語中にある子音と子音の間にある[t]、[k]、[d]といった音が省略されるパターンもあります。
それぞれ具体例で見ていきましょう。
子音+子音で音が落ちるケース
このように、
同じ子音([d]→[d])が続いたり、
[t]の後に[d]などの似たような音が続く場合は、
子音が繰り返されずに、音が落ちるケースがあります。
文末の破裂音が落ちるケース
子音と子音の間にある[t]、[k]、[d]などが脱落するケース
弱形
「弱形」は、会話の流れとしてあまり意味として重要ではない英単語が「弱く」「あいまい」に発音されることです。
例えば、
“ a ” や “ the ” といった「冠詞」や、
“ of ” や “ at ” などの「前置詞」
“ and ” や “ or ” といった「接続詞」
“ my ” や “ your ”といった「代名詞」
のほか、
“ is ” “ are ”といった「be動詞」
“ can ” “ would ”といった「助動詞」
も、弱形になりやすい傾向です。
具体的には、
・Our job is hard.
という文章であれば、「Our」と「is」は弱形として短く発音され、太字の「job」「hard」が強く発音されます。
このケースでは早口で読まれる場合は
「アワー ジョブ イズ ハード」→「(ァ)ワージョビーザー」くらいに聞こえるかもしれません。
音声変化を習得するための効果的な学習法
ここまで音声変化のパターンについて紹介してきましたが、こうした音声変化を身につけるためには、どのような学習方法が効果的なのでしょうか?
僕自身の経験から、3つの学習方法をおすすめしたいと思います。
おすすめの学習方法は以下のとおりです。
- ディクテーション
- オーバーラッピング
- シャドーイング
それぞれご紹介していきますね。
ディクテーション
まずどのような英単語や文章の流れで音声変化が起きているのか、を把握するために「ディクテーション」をして音のつながりを学習してみましょう。
ディクテーションとは、聞こえてくる英文をノートやメモなどに一字一句書きとる学習法のことです。
ディクテーションでは、聞こえてくる英語の細かい冠詞や接続詞にも注意を向ける必要があります。
そのため、英文の細かい点にまで注意を払って、繰り返し聞きとる練習をすることになるので、自然と音のつながりや強弱も意識できるようになっていきます。
オーバーラッピング
次におすすめの学習方法は「オーバーラッピング」です。
オーバーラッピングとは、英文を見ながら、その英文を発音している音声を真似して発音していくという練習方法です。
オーバーラッピングを繰り返すことで、速いスピードで話されている英語でも、
「どこで音が連結されるのか」
「どういう流れでラ行化が起きるのか」
など、この記事で紹介してきた音声変化の特徴を実例として確認しながら学習を進めることができます。
シャドーイング
最後におすすめしたいのが「シャドーイング」です。
シャドーイングは、さきほど紹介したオーバーラッピングが十分にできた後に進むステップ、というイメージで僕自身は取り組んでいました。
シャドーイングをしてみるとわかるのですが、自分に合っていない速いスピードの英語音声でシャドーイングをすることは非常に困難です。
まずは自分の英語レベルに合う英語音声でシャドーイングに挑戦してみてくださいね。
シャドーイングのやり方やレベル感、おすすめの教材はほかの記事でも取り上げているので、ぜひ参考にしてください。
\ 今なら7日間無料で体験できる!/
まとめ:音声変化をマスターして英語学習に活かそう!
いかがだったでしょうか?
今回は英語の音声変化のルールについて、どういうパターンの変化が起きるのかをまとめてご紹介してきました。
英語のリスニング力を鍛える前に、まずは音声変化の特徴を知ることで非常に効率よく学習が進められると思います。
ぜひ繰り返し、英語の音声変化について確認して、ご自身の英語学習に活かしてみてください。
今回も最後まで記事をご覧いただき、ありがとうございました!
\ 今なら7日間無料で体験できる!/